倉庫で活躍するロボットたちのプラットフォームを提供するDexterity

倉庫内の作業は従来人手に依存していたが、現在は多くの作業がロボットへと置き換えられつつある。この中でも特に大きな課題は、複数のロボットが協力して作業を行うことである。Dexterityは、単にロボットを提供するだけではなく、AIや機械学習機能を備えたプラットフォームを通じてロボット間の作業の同期やスケジュール調整などを行う全体管理ソリューションを提供している。これにより、以前は人の判断が必要だった作業も、ロボット同士の連携によって自動化されるようになった。2023年にはFedex向けにDexRというロボットを導入し、2024年には日本の佐川急便に1500台のロボットを展開する計画があることを発表した。Dexterityは2017年に設立され、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置き、資金調達額は総額2億ドルに達している。同社の主要な投資者にはLight Speed Ventures, Kleiner Perkins, Presidio Venturesなどが名を連ねている。 Continue Reading

進化を続けるクラウドデータ分析基盤Databricks

Andreesen HorowitzのAmerican Dynamism 50 AI Editionにて紹介されたDatabricksは、AIとデータ利用の多岐にわたるユースケースをサポートする統合プラットフォームである。Apache Sparkの開発者たちによって2013年に設立されたこのスタートアップは、当初はデータ分析を高速かつ効率的に行うことを主眼に置いていた。しかし、最近では機能の拡充により、AIやデータ分析に関連する作業をプラットフォーム上で一貫して完結できるようになっている。Databricksは、リアルタイムエンタープライズデータリプリケーションを可能にするAcrionや、LLM(Large Language Models)のトレーニングプラットフォームを提供するMosaic MLなど、様々なベンダーの買収を通じて機能を拡張しており、これにより企業が独自のLLMを構築したり、生成AIの分野での存在感を示すことが可能になっている。Databricksは、サンフランシスコに本拠を置き、資金調達額は総額36億ドルに達している。 Continue Reading

倉庫やロジスティックスの様々な作業に対応するCovariantのロボットソリューション

Andreesen Horowitzが発表した「American Dynamism 50 AI Edition」に掲載されたCovariantについて紹介する。Covariantは、OpenAI出身のエンジニアが設立した会社で、倉庫やロジスティックス業界向けのロボットソリューションを提供している。倉庫内での多種多様な商品の取り扱いをロボットで代替することを目的とし、Covariant Brainという技術を用いて、商品がどのように置かれているかをコンピュータビジョンで分析し、安全に取り出すための最適な方法を判断する。この技術により、異なるメーカーのロボットに作業指示を出し、効率的に作業を行わせることが可能となる。Covariantは2017年に設立され、カリフォルニア州エメリービルに本社を置き、これまでに202Mドルの資金を調達している。主な経営陣には、共同創業者兼CEOのPeter Chenと共同創業者兼CTOのRocky Duanが名を連ねている Continue Reading

太陽光発電設備の大量設置工事を支えるBuilt Robotics

各国、特に米国では、太陽光発電のようなクリーンエネルギーへの需要が高まっており、2023年の米国では新規発電設備の54%が太陽光によるものであった。しかし、大規模な太陽光発電設備の構築には膨大な人手と手作業が必要で、これが進展のボトルネックとなる可能性がある。この課題に対処するため、2015年に設立されたカリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くBuilt Roboticsは、資金調達額112ミリオンドルを達成し、ロボティクス技術を開発している。同社は、太陽光発電設備の建設を自動化し、効率化することで、クリーンエネルギーの普及を加速させることを目指している Continue Reading

先進技術で米国と同盟国の軍事能力を変革するAnduril

Anduril Industriesは、AIやドローンなどの最先端技術を用いて戦場の自律化と統合化を実現する企業であり、Andreesen Horowitzが発表するAmerican Dynamism 50 AI Editionに選出されています。この企業は、次世代の軍事技術がソフトウェア工学やコンピューティングの進歩によって大きく左右されるという現代の戦争の変化に対応しています。Andurilは、数千のセンサーやデータソースから得られる情報をリアルタイムで分析し、戦闘空間についての深い理解を共有するLattice OSをコアシステムとして使用しています。このシステムは、センサーフュージョン、コンピュータービジョン、エッジコンピューティング、機械学習、AIなどの技術を駆使して、対象物を検出・追跡・分類します。

Andurilは、無人航空機や自律型ドローンシステムを検出、追跡、傍受するCounter UASシステムや、様々なミッションに対応可能な再利用可能なVTOLなど、複数の自律型航空システムを提供しています。これらの技術は、2024年現在、ウクライナにも提供されており、国際的な安全保障の分野での応用が期待されています。2017年に設立されたAnduril Industriesは、カリフォルニア州コスタメサに本拠を置き、Valor Equity Partners、Peter Thiel、Founders Fund、Andreesen Horowitzなどから総額2.26Bドルの資金を調達しており、シリーズEでは1.48Bドルを調達しています。 Continue Reading

工場や倉庫で働くヒューマノイドロボットを提供するAgility Robotics

米国のベンチャーキャピタルAndreesen Horowitzが発表しているAmerican Dynamism 50 AI Editionから今回はAgility Roboticsを紹介する。
工場や倉庫では多くのオートメーション技術が使われているが、まだ人の手も介在する領域が多々ある。この領域の作業を人と同じレベルでこなすというのがAgility Roboticsが提供するロボットDigitの目指すところだ Continue Reading

プライバシーに配慮した映像認識によりセキュリティインシデントをプロアクティブに防止するAmbient AI

Andreesen Horowitz(a16z)が紹介する「American Dynamism 50 AI Edition」の中で、注目されるAmbient AIについて紹介します。Ambient AIは、AIを活用して新しい時代のフィジカルセキュリティソリューションを提供する企業です。ディープラーニング技術の進歩により、ビデオ分析の精度が高まり、ビデオ内のオブジェクトやその属性を認識することが可能になりました。これにより、従来の単純なアラームシステムを超えた応用が可能となり、フォレンジック分析やセキュリティレポートの作成など、高度な用途に利用されています。

Ambient AIの技術により、場所、時刻、オブジェクト間の相互作用を理解し、セキュリティリスクの評価に活用することができるようになりました。これにより、ほぼリアルタイムでのインシデント認識やアラートが可能となり、迅速な対応が実現しています。特に、銃社会である米国では、学校での乱射事件などの深刻な問題に対して、銃を持つ人物の特定やその位置情報の提供を通じて、学生やスタッフが被害を最小限に抑えるための行動をとるサポートが期待されています。製造現場では、立ち入り禁止区域への侵入や窃盗などのリアルタイム検知に役立っています Continue Reading

AI を活用したソフトウェアで飛行ルートと航空会社の運航を最適化するAir Space Intelligence

米国のベンチャーキャピタルAndreesen Horowitz(以下、a16z)が発表しているAmerican Dynamism 50 AI Editionから今回はAir Space Intelligenceを紹介する。Air Space Intelligenceの提供するFlywaysプラットフォームは航空分野におけるさまざまな役割にわたるオペレーターの意思決定を改善し、迅速化する AI を活用したオペレーティング システムだ。 Flyways は、オペレーターが質の高い意思決定を迅速に行う必要がある、急速に変化する環境において利用される。非構造化データを融合し、AI を適用して予測分析を行い Continue Reading